本日9月13日(金)10:30より行われた、復興庁による「原発事故子ども・被災者支援法」の基本方針案の説明会(東京、詳しくは→ こちら)に参加し、私たちの「基本方針案への意見書」(下部参照)を手渡してきました。
説明会の様子
説明会は平日で急な案内だったからでしょうか、参加者は全体で95人ほど、うち自治体関係者が15名ほどでした。説明が30分、質疑応答1時間30分でしたが、会場から度々非難の嵐で、話し合いはほとんど噛み合いませんでした。私たちの「各地で公聴会を!」「追加被曝1ミリシーベルト/年以上の地域は支援対象に!」の意見には、とうとう最後まで答えてくれませんでした…。がっくりしましたが、負けずにこれからも省庁交渉等にのぞんでいきます!


原発事故子ども・被災者支援法基本方針(案)に対しての意見書

                        
                       放射能からこどもを守ろう関東ネット 
                                 代表 増田 薫
 今、日本は重大な局面を迎えています。
 福島第一原子力発電所の事故処理、また放射能汚染の問題は、日本国内だけの問題ではありません。世界中を巻き込んでいる問題です。
 そのことを念頭に置いた上でお考えください。

 この度の「原発事故子ども・被災者支援法」基本方針(案)は全く受け入れられるものではありません。主に、以下の3つの点が問題だと考えます。

1、少なくとも初期の被曝を含めて、追加被曝1ミリシーベルト/年以上の地域を支援対象地域にすべき
→憲法25条生存権に反している。これは重大な人権侵害に値する。
2、汚染状況重点調査地域に指定された全ての市町村で公聴会を開催すべき
→意見募集の期間が1ヶ月未満、ネット環境だけの意見募集は受け入れられない
3、電離則に定められた健康診断を被災者に対して行うべき

 「原発事故子ども・被災者支援法」第1条において、「一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住し、又は居住していた者(中略)並びにこれらの者に準ずる者」とありますので、環境省が「公衆の追加被曝1ミリシーベルト/年を超える」と判断し「汚染状況重点調査地域」となった地域に居住する住民は全て被災者として定義すべきです。

 ご存知のように「電離放射線障害防止規則」という法律があります。これは、放射線を扱う事業者に対し、労働者の被爆線量などを定めたものです。
 その中で定められた「追加被曝1ミリシーベルト/年」という基準は、そもそも大人の基準を定めたものです。大人に対してこの被曝限度が守られるのはもちろんのことですが、この値は被曝の影響が大人よりも大きいとされている子どもに対する基準には到底ならないものです。それさえも国自らによって破られようとしています。

 私が居住している千葉県松戸市は、原発事故のあと放射能汚染のホットスポットとなり、汚染状況重点調査地域として数億円という大金を投じて大掛かりな除染が行われました。
 汚染状況重点調査地域に指定された他の自治体も同様に策を講じてきました。

 それにもかかわらず汚染状況重点調査地域と支援対象地域が異なることは、国が進めてきた放射能汚染対策の一定の基準を根底から崩すことになります。その整合性をどう説明しますか。

 また、「原発事故子ども・被災者支援法」第14条に定められた「被災者の意見の反映」「方針を定める過程を透明性の高いものとするための措置を講ずること」、これらが全く行われていないことは非常に遺憾です。
 最低でも汚染状況重点調査地域に指定された全ての市町村で公聴会を開催すべきです。
 しかも、この度の意見募集は、延期されたとは言え、1ヶ月未満という短期間の設定、またネット上でしか意見募集の告知をしていません。これでは広く意見を求めることは出来ず、支援法の理念に合致しません。
 さらに、電離則の「第8章 健康診断」において、第56条に、被曝の有無の調査と評価をしなければならないこと、血液検査を始め様々な健康診断をしなければならないこと、などを定めています。
 繰り返しますが、電離則は放射線を扱う事業者に対する法律ですから、一般市民、ましてや子どもには、さらに厳しく定められて当然です。
 そして、健康診断が実施された時には、健康診断の個人票は最低でも30年は保管されるべき程の非常事態であることをしっかり認識していただきたいです。
好んで被曝したわけでもない一般市民に対して、さらに何の罪も無い子ども達に対して、被曝させた側の、国自らが、必要最低限の対策も行わないのは、憲法に定められた「生存権」を奪う行為であり、完全に憲法に違反しています。
 被曝した市民は、重大な人権侵害を受けていると言わざるを得ません。初期の被曝量も含めて、追加被曝=1ミリシーベルト/年を守るのは国の義務です。
 以上の点から、このように不十分なまま基本方針の閣議決定はしないでください。
 各地で公聴会を実施し、広く意見募集を行った上で、基本方針を抜本的に作成し直すことを要求します。 
                                          以上

pdf130913支援法基本方針への意見書
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